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免疫チェックポイント阻害剤とは
オプジーボを初めとした免疫チェックポイント阻害剤は、がん免疫療法の代表的な治療方法になりつつあります。
免疫監視機構
Tリンパ球ががん細胞を認識して攻撃する。
1. 免疫チェックポイント分子は、T細胞の暴走を抑えるために存在している
免疫チェックポイント分子は鍵と鍵穴の関係を持ってペアで存在しています。
代表的なものは、PDL-1/PD-1とB7/CTLA-4です。鍵であるPDL-1やB7分子が、鍵穴であるPD-1、CTLA-4分子に結合することで、免疫細胞の機能にブレーキがかかるようになっているのです。
2. PDL-1/PD-1について
PDL-1という膜たんぱく質が、がん細胞やがん細胞周囲の微小環境を構成する間質細胞に発現しています。一方、Tリンパ球の細胞表面にはPD-1分子が発現しています。
これらの分子が結合するとTリンパ球にブレーキがかかってしまうことが分かっています。
がんの免疫抑制機構
がん細胞はPDL1を発現して、活性化したTリンパ球に発現しているPD1と結合し、Tリンパ球に抑制性のシグナルを伝えます。
3. B7/CTLA-4について 樹状細胞上のB7分子とTリンパ球上のCD28分子が結合し、Tリンパ球は刺激シグナルを受けます。一方、免疫抑制細胞であるTreg細胞はその表面にCTLA-4分子を発現し、樹状細胞上のB7分子と非常に強く結合するため、Treg細胞が樹状細胞と結合するとTリンパ球は樹状細胞からの刺激を受けられず、活性化することができなくなります。
4. 抗PD-1/抗PDL-1抗体薬や抗CTLA-4抗体薬は、T細胞へのブレーキを解除する
抗PD-1抗体薬や抗PDL-1抗体薬で、がん細胞のTリンパ球へのブレーキを阻害すれば、Tリンパ球ががん細胞を攻撃できるようになるというのが治療の仕組みです。
抗CTLA-4抗体薬はCTLA-4分子を介したTリンパ球のブレーキを解除することで抗腫瘍効果を発揮します。
免疫チェックポイント阻害薬によるTリンパ球活性化の回復
免疫チェックポイント阻害薬は、リンパ球のPD1とがん細胞上のPDL1との結合を阻害し、がん細胞のTリンパ球への抑制性シグナルをブロックする
5. 免疫チェックポイント阻害剤の効果 効果については既存の治療方法で効果のなかった方に対して、さらに1~3割という確率でCR(完全奏功)やPR(部分奏功)が認められました。
☆抗PD-1抗体薬(ニボルマブ:オプジーボ、ペムブロリズマブ:キイトルーダ)
抗PDL-1抗体薬(アテゾリズマブ:テセントリク)
抗CTLA-4抗体薬(イピリムマブ:ヤーボイ)