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活性化自己リンパ球療法とは
活性化自己リンパ球療法とは「がんの再発防止」「生活の質(QOL)の改善」「標準治療との併用」に適した免疫療法です。患者さまご自身のリンパ球を培養(活性化、増殖)し、点滴で体内に戻すがんの治療法です。副作用も少ない治療法です。
採血から投与まで約2週間、細胞を特殊培養溶液で培養し、活性化・増殖させます。また、細胞保管技術によって、1回の採血で数回の投与が可能なので、採血の頻度を抑えることができます。(1回の採血量は約30mlです)
治療に用いる活性化した細胞は、ほとんどが活性化Tリンパ球です。(約2週間の培養によって、100~1,000倍に活性化増殖させたものです)
Tリンパ球は、がん細胞やウイルスに感染した細胞などの異常細胞を排除する役割を担います。
活性化自己リンパ球の品質について
患者さまに「安全で高い品質」の活性化自己リンパ球療法を提供するため、2006年に品質管理の国際規格ISO9001を取得し、規格に沿った品質管理を行っています。
品質管理システム
1. 無菌試験 菌の発育しやすい環境に培養液の一部をいれ、菌が増えないこと(無菌であること)を確認しています。
2. エンドトキシン試験 菌種によっては表面にエンドトキシンという物質があります。血中に入るとショック症状(発熱)を引き起こす場合があります。安全な数値以下(基準値以下の数値)であることを確認します。
3. FACS測定 細胞表面には細胞種によって特徴のある目印が出ています。リンパ球の目印、活性化の目印を測定することで、活性化リンパ球の特徴を持つ細胞がどのくらいいるか確認します。
4. 細胞数測定 菌種によっては表面にエンドトキシンという物質があります。血中に入るとショック症状(発熱)を引き起こす場合があります。安全な数値以下(基準値以下の数値)であることを確認します。
5. VNTR試験 個々人の染色体には他人とは違った目印があります。リンパ球の取り違い防止のために、この目印を確認します。
製造管理システム
「工程管理」・「機器管理」・「資材管理」・「衛生管理」の製造工程の基準・手順を統一し品質を一定水準に保ちます。
生産情報システム
培養中にリンパ球の取り違えが起きないように全工程をバーコードシステムで管理しています。
活性化自己リンパ球療法を検討している方へ
手術前の患者さまへ
がんの治療法は①手術、②化学療法、③放射線療法、④免疫療法が一般的に挙げられます。
活性化自己リンパ療法(免疫療法)は第4の療法と言われていますが「4番目に選択する療法」ではありません!
免疫療法は、がんになったときに考えるものです。
(※効果的な治療がない、もしくは受けられない場合に考える治療法ではありません)
がん治療もさまざまあり、多くの方が標準治療を選択します。がんと分かったとき標準治療を選択する際に免疫療法も考慮することが重要です。
手術を予定されている方は、手術を受ける前にご相談ください。
予め採血を行い、手術後、早い段階で活性化自己リンパ球療法を始めることが極めて有効です。また、標準治療との併用で、さらに効果が期待できます。(②化学療法、③放射線療法との併用により、さらに効果が期待できます)
手術後の患者さまへ
手術を受けられた患者さまも、術後の治療法として検討していただきたい療法です。
1. 早期がん(I期~II期)の場合
がんの再発および転移のリスクの低減、重複がんの予防が期待できます。
⇒ 手術+活性化自己リンパ球療法 = 再発予防
2. 進行がん(III期~IV期)の場合
がんの進行を遅らせること、QOL(生活の質)の維持・改善が期待できます。
⇒ 手術+化学療法(抗がん剤)+活性化自己リンパ球療法
⇒ 手術+放射線療法+活性化自己リンパ球療法 = QOLの維持・改善
よくあるご質問
活性化自己リンパ球療法ってなんですか?▼
患者さま本人の血液からリンパ球を分離し、活性化させながら約1,000倍に増殖させたリンパ球を点滴で約1時間かけて体内に戻す療法です。
がんの再発予防・がんの進行抑制・QOL(生活の質)の改善が期待できます。
エビデンス(科学的根拠)はありますか?▼
活性化リンパ球療法の効果については、肝臓がんの術後再発予防には確かなエビデンスがあると認められています。
開発者である元国立がんセンター研究所室長の関根暉彬博士らにより、エビデンスの信頼度がもっとも高い無作為化比較試験にて検証され、その結果が世界的に有名な医学論文誌『Lancet』に掲載されたという実績があります。(Lancet 2000;356:802-07)
対象となるがんの種類は何ですか?▼
血液がん(白血病、悪性リンパ種、多発性骨髄種)を除いた全てのがんが対象となります。ただし、がんの進行程度や今までに受けてこられた治療法、現在行っている治療、合併症などの状況を見て、医師が治療可能か判断いたします。
活性化自己リンパ球療法は私のがんにも効きますか?また完治しますか?▼
がんの種類、ステージ、状態、現在行っている治療などによって効果は異なりますが、手術を行った場合は手術後の再発予防に大いに期待できます。がんは再発が最も恐ろしいことですから、手術後に活性化自己リンパ球を投与し、がんの再発を防止することは効果的な治療であると考えられます。
手術ができない方や再発してしまった方の場合は、化学療法や放射線治療と組み合わせることで、がんの進行を遅らせることも期待できます。
がんの完治は、一般的に体内に確認できるがんがなくなり、再発しない状態を言います。再発防止の効果が期待できる活性化自己リンパ球療法は、完治に向けての有効な治療と考えられます。
治療回数と治療期間はどのくらいですか?▼
治療の回数と期間につきましては、患者さまの病状や希望を考慮し、医師と相談の上、決定いたします。
よくご提案させていただくパターンは、5~6回投与を1クールとして、3~12カ月の間で組み立てるパターンがあります。
医療保険は適用されますか?▼
公的医療保険は適用されません。
活性化自己リンパ球療法は、全額自己負担の自由治療となります。自由診療対応型保険は適用となる場合があります。詳細はご加入の保険会社に直接お問い合わせください。